子供の育て方については、色々な本が出版されています。
今回書評するのは、コーチングのスキルを子育てに活かす「子育てコーチングの教科書」です。
本書では、コーチングのスキルを活かして、指示・命令型の育児から質問・提案型への育児に転換する具体的な方法論についての内容が満載です。
子育てしていると、ついつい「〇〇しなさい!」と指示・命令型の育児になってしまいます。
子供も大人も一緒ですが、「〇〇しなさい!」と言われると、むしろ反発して指示・命令されてことをしたくなりますよね。
本書について一部の内容を解説・紹介していきます。
コーチングによる子供を自発的に育てるための内容が非常に分かりやすくお勧めの内容になっています。
1.子供が言うことを聞かない
2.好奇心旺盛な子供に育てる方法が知りたい
3.上手く子供とコミュニケーションと取りたい
それでは本書について解説していきます。
コーチングとは
本書ではコーチングについて下記のように示しています。
・コーチングは、ひとことで言えば、
「相手の自発的な行動を促すコミュニケーションのスキル」・ひとことでコーチングの特徴を表現すると、「指示・命令型から質問・提案型へ」と
いうことができるでしょう。
冒頭でもお話したようにコーチングは、指示・命令型ではありません。
コーチングは、質問・提案型のコミュニケーションであり、コーチングによって期待されるのは自発的な子供になることだと言えます。
また、本書では、コーチングの3原則について下記のように示しています。
1.双方向である
2.個別的に合わせて関わりをする
3.継続してかかわる
普段のコミュニケーションはどうですか?一方通行になっていないでしょうか?
子供の言葉に傾聴し、子供の言っていることを同じ視点で理解し、お互いのコミュニケーションを図ることが重要です。
個別的に合わせて関わりをもつことは、子供は当然ですが、それぞれ個性があるので、子供に合わせたコミュニケーションが必要です。
子供に個性に合わせて、それぞれ違ったコミュニケーションをすることを大変だと思います、
しかし、個性に合わせるコミュニケーションは、子供と親の相互の理解が深まり、子供のやりたいことに気づき、好奇心を育てることができます。
継続してかかわることは、子供に対する場合、毎日一緒にいるので、問題ないと思うかもしれません。
しかし、日常的に話をすることに加えて、母子だけでなく、父親や兄弟など、家族団らんでコミュニケーションを取るようにしましょう!
次に具体的にコーチングスキルを活かした子供の育成方法について本書の内容の一部を紹介し、書評していきます。
子供を受けとめるスキル
本書では子供を受けとめるスキルが重要で、受け止めるスキルには次の3つが必要だと示しています。
1.聞く
◎相手が「聞かれた」と思う聞き方
2.見る
◎エンジェル・アイ(天使の目)をあなた
3.ペーシング
◎ただ繰り返す
なぜ子供を受けとめるスキルと思った方も多いでしょう。
子供を受けとめるスキルが重要な理由は、コミュニケーションで重要なのは、親が話すよりも子供が話すことを親が聞くことの方が重要だからです。
さらに子供が話す際に子供が親がちゃんと聞いているなと実感することが重要でただ話を聞いたフリはNGです。
子供の視点に立って、子供の話を聞いて、子供に共感することで、子供はやっと話を聞いて貰えていることが実感できます。
次に見ることも大切です。「エンジェル・アイ(天使の目)」という言葉は、相手を無条件に受け入れる、そう決めている人の「目」の表情のことです。
エンジェル・アイで子供を見ると、子供はそれを感じて、親が子供を受け入れていると感じることができます。
聞くことに加えて、エンジェル・アイの目を子供に向けるようにしましょう。
最後にペーシングです。ペーシングとは、「相手とペースを合わせる」ということですが、
決して適当に子供にペースを合わせるということではありません。
本書ではペーシングについて下記のように解説しています。
ペーシングとは、相手の言うことや気持ちを受けとめる、もしそれが自分にとっては都合の悪いものであったとしても、できるだけの忍耐と思いやりを動員してしっかり受け止める、そういうスキルです。
子供が話しているときに、それは違う!と思い子供の話を中断したくなることもあるかもしれません。
しかし、まずは忍耐と思いやりを総動員して、寛容な気持ちで子供の話を最後まで聞くことが重要だと言えそうです。
次に子供の話を聞いて、親は何をすればいいのか?子供に働きかけるスキルについて本書では解説しています。
子供に働きかけるスキル
本書では子供を受け止めるスキルが重要で、受け止めるスキルには次の3つが必要だと示しています。
1.質問する
◎オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン
2.アクノレッジする
◎アクノレッジするとは
まずは、質問することが重要ですが、一般的に質問には2種類あります。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンです。
オープンクエスチョンは、自由に返答できる質問です。
具体的には、いつ、どこ、誰、何、なぜ、どのようにで尋ねる質問方法で例えば、「明日は誰と遊ぶの?」になります。
一方、クローズドクエスチョンは、「はい」、「いいえ」で返答できる質問です。
具体的には、「昨日の宿題はやった?」です。
本書では、下記のオープンクエスチョンを推奨しています。
「なぜ」+過去のうまくいったできごと
「なんでこれがうまくいったんだろう? 考えてみようよ!」、
これはうまくいった行動を振り返るための効果的な問いかけと言えそうです。「なぜ」+未来
「なぜこのテーマで自由研究したいの?」という質問は自由に考えられる質問です。未来に対して「なぜ」を聞かれると、その人の内側で戦略や計画が生まれると言われています
オープンクエスチョンを使用することで、子供が自由に考え、自分の中の頭を整理することで、多くのことに気づくことができます。
気づきから、子供は自分の好きなことを発見し、それが将来の夢につながることにもなりえます。
オープンクエスチョンで、子供の思考力を鍛えるとともに多くの気づきを与えることで好奇心を育てて、自主性・自発性のある子供に育てましょう!
最後に
本書では、コーチングを活かした子供の育成方法が詳細に書かれており、すぐに使えるスキルです。
すぐに使えるスキルですが、忍耐強く愚直な子育てが必要です。
なかなか実践することは難しいですが、コーチングスキルを活かして、自主性・自発的な子供を育てていきましょう!