子供の育て方に困っていませんか?
子供は自由奔放であり、なかなか親の言うことを聞かないことは多いですし、ついつい大きな声で怒鳴ったりしてしまいますよね。そんな時、自分のり方は正しいのか、不安になりませんか
正しい叱り方をしなければ、子供は自主性が育ちません。
また、反対にほめ方も同じで正しいほめ方をしなければ、同じく自主性、主体性は育ちません。
何が正しいほめ方、しかり方なのか、紹介しているのが本書になります。
1.自主性を持った子を育てたいと願う親
2.主体性を持った子を育てたいと願う親
3.子供に対するほめ方、しかり方が分からない方
無条件子育てと条件付き子育ての原則
本書ではほめ方、しかり方のやり方として、大きく2つの方法があり、1つを無条件子育て、もう1つを条件付き子育てとして、紹介しています。正しくほめる方法は、無条件子育てであり、ほめるにあたり、守らなければいけない原則が5つあります。
無条件子育ての5つの原則
1.ほめ方と叱り方に気をつける
2.「子供に対するイメージ(見方)」を見直す
3.子どもにとって良きリーダーでいる
4.子どもへの要求を考え直してみる
5.子育ての長期的なゴールをもつ
具体的には目次2の正しいほめ方で説明しますが、無条件子育て?って子供を放置したり、無条件に自由奔放に子供を育てていいってこと?と疑問に思った方もいるかと思いますが、実際は違います。
無条件付子育ては、子供を好き放題に育てることではなく、子供と向き合い、子供の気持ちを受け入れ、寄り添いながらも、親としてのリーダーシップが必要な育て方なのです。
次に本書でNGとされる条件付子育てのデメリットについて解説していきますが、そもそも、条件付子育てとは、何でしょうか。条件付子育てとは、表面上の子供の行為に対してほめたり、叱ったりすることです。
条件付子育ての怖い4つのデメリットがあります。
「条件付き子育ての怖いデメリット」
1.短期的にしか教育効果がない
2.条件付きの自己肯定感しかもてなくなる
3.親子関係が悪くなる
4.世代を超えて引き継がれる
子供が親のいうことを聞かないから、叱ったり、いうことを聞くからほめたりしていませんか?
このようなほめ方、しかり方では、一時的には親の言うことを聞きますが、一方で親の言うことでないと言うことを聞かなくなります。これが短期的にしか教育効果がない理由です。
長期的な教育効果をもたらすには、親がほめる、叱るで子供をコントロールするのはNGなのです。
また、子供は、子供の行為に対して親からほめられることで承認欲求を満たすことができます。しかし、自己肯定感が親からほめられることによる条件付きになってしまい、内発的なモチベーションが無くなってしまいます。
さらに気を付けないといけないのは、条件付きの子育てはしていないと思っていても子供から見たときに条件付きの子育てになっていると、子供は拒絶感をおぼえ、親子関係が悪化してしまいます。
怖いのは、条件付き子育ては、世代間を超えて引き継がれてしまうのです。自分の子供だけでなく、孫の世代、さらにはひ孫にも子育て方法は引き継がれます。これらのことからも無条件子育てを実践して、良好な親子関係、子供の自主性、主体性を育てる必要があります。
次に無条件子育ての具体的なほめ方を確認してみましょう!
できる子に育つほめ方
本書では、大きくほめ方には次の3つがあると説明しています。
① おざなりほめ(perfunctory)
どういうところがどういうふうによかったのか具体性に欠ける、中身のない表面的なほめ方をする 「 すごいね!」「上手!」
② 人中心ほめ(person focus)
性格(優しさ・気遣いなど)・能力(頭の良さ・足の速さなど)・外見(顔・体形など) といった、表面上の特徴を中心にほめる 「優しいね」「頭がいいね」「かわいいね」
③ プロセスほめ(process focus)
努力・過程・試行錯誤した手順を中心にほめる 「がんばって最後までやりきったね」 「失敗してもあきらめなかったね」
どのほめ方がいいと思いますか。答えは③プロセスほめです。
なぜプロセスほめが良くて、ほかの①おざなりほめ、②人中心ほめがNGなのでしょうか。
その理由は、①おざなりほめと②人中心ほめは、ほめ方が表面的であり、何をほめられているかが分からないことから、ただ単に親からほめられることが子供はうれしくて、ほめられ依存になってしまうからNGなのです。
ほめられ依存になってしまうと周囲からの承認欲求が高まり、周囲からほめられないと自分の価値を見出せなくなってしまいます。
また、子供の楽しくやっていた行為が行為自体をほめられることで、ほめられることが目的になり、行為自体が楽しくなくなってしまうこともあります。
③プロセスほめは、行為や結果ではなく、その結果に至る過程をほめられることから、子供も過程が重要だと認識し、さらに試行錯誤、柔軟にいろいろな方法を試し、結果を伸ばすことができます。
プロセスほめで重要なのは、具体的にほめることで、子供が自分のやっていることが親にちゃんと見られていると思うと、より過程を良くしようと取り組みます。
次にできる子に育つ叱り方について説明します。
できる子に育つ叱り方
本書では、上手な叱り方に4つのポイントを紹介しています。
叱り方4箇条
1| 「ダメ!」「違う!」をできるだけ使わない
2| 結果ではなく努力やプロセスに目を向ける
3| 好ましくない行動の理由を説明する
4| 親の気もちを正直に伝える
子育てでは、ほめることよりも叱ることのほうが難しいですよね。子供は、悪いことをした気が無くても大きな声で叫んだり、走り回ったりして、迷惑をかけてしまうもので、親もついつい大きな声で叱ってしまいます。
しかし、そんな時でも上記の叱り方4箇条を守らないと、子供のフラストレーションは爆発しやすくなってしまい、反発しやすくなっていしまいます。
ここで大事なのは、まず子供の行為の意図を確認することです。なぜその行為をしたのか子供に確認し、共感することで子供の反発を防ぐことができます。
また、ほめ方と同様結果ではなく、プロセスに着目することが重要です。例えば、テストで20点で「何でこんなに悪い点数だったの!」と叱ってはいけません。
結果が悪くてもプロセスをほめて具体的なフィードバックをすれば、子供のプロセスは改善し、結果も良くなるのです。
また、行動に対して具体的に何が悪かったのか、モラル的な観点から説明し、さらに親の正直なを伝えることが重要です。叱る際に子供主体のメッセージでは、子供が責められたと感じてしまいます。
例えば、子供が叫んだりしたら、「大きい声で叫んだりするとパパ(ママ)がびっくりするよ」です。
最後に
本書は育児におけるほめ方、しかり方について例示が多く、分かりやすくなっています。書評では、ほんの一部しか紹介できませんでしたが、気になった方は、ぜひ書店やインターネットで購入してみて下さい。
特に叱り方については、ついつい感情的になって、怒鳴ってしまいます。叱り方によっては、子供は一生トラウマになってしまうこともありますし、本書で書いていることを実践して、自主性、主体性、自己肯定感のある子供を育てていきましょう!