今回は、昨今、話題のモンテッソーリ教育に関する書籍についての解説です。
そもそもモンテッソーリで何?というところから、モンテッソーリ教育をすることでどんな子供に育つのか、また、モンテッソーリ教育を家庭でどのようにするのかについて本書の一部を紹介します。
モンテッソーリ教育については、色々な本が出版されていますが、今回書評するのは、
「子どもの才能を伸ばす最高の方法モンテッソーリ・メソッド―――「自律した子」の育て方すべて」です。
いくつかモンテッソーリ教育の書籍を読みましたが、本書が分かりやすくモンテッソーリ教育についての内容がまとめられており、かずぴよも非常に勉強になりましたので、皆さまににも本書の内容について共有したく、解説していきます。
本書について一部の内容を解説・紹介していきます。他書籍でも多く散見されますが、やはり幼児期の教育は非常に重要であり、本書は幼児期の教育方法が分かりやすく説明されていますので、お勧めの内容になっています。
1.話題のモンテッソーリ教育について知りたい!
2.学校教育+αで何を教育するか迷っている方
3.これから幼児教育をされる方、している方
それでは本書について解説していきます。
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育(モンテッソーリ・メソッド)は、100年前に医師であるマリア・モンテッソーリが医学的な観点から、様々な研究をすることで誕生した教育方法です。
本書ではモンテッソーリ教育について下記のように記載しています。
モンテッソーリ・メソッドは、それぞれの子どもをよく観察し、その子にあった教育プログラムを提供していく
モンテッソーリ教育=モンテッソーリメソッドは、まずは子供をよく観察することから始まり、観察から何がその子に重要か、その子が何に好奇心を抱いているかを発見することで、その子に適した教育を育むことのようですね。
今、目の前の子どもがどんな発達段階にあって、どんな関わりを必要としているのか、そのことに注力して個別の対応をしていく
当然、子供の発達段階によって関わり方は変わります。子供によって個別に観察するだけでなく、同じ子供でも発達段階でも常に観察を続けることで継続して、子供が必要とするかかわり方に気を付ける必要があると言えそうです。
ひとつの教育法を全員にあてはめるのではなく、子どもによってやり方を変えていく のは、非常に理にかなった考え方と言えるでしょう。 モンテッソーリ・メソッドが従来の一斉教育と大きく違っている点は、そのアプローチ方法にあるのです。
現在の教育法は、画一的です。義務教育は一律で同じカリキュラムが組み込まれており、同じ年齢の子供は、全員同じ教育を受けます。しかし、子供によっては、好奇心を何に持つか当然異なります。
また、子供によって得て、不得手もあるので、画一的な教育は、子供の伸びる才能が伸びにくい原因になっている可能性もあります。
その点、モンテッソーリ教育は、子供一人一人に合わせて、教育方法を考えて、提供するので、子供の才能が伸びるということですね。
モンテッソーリ教育は素晴らしい教育方法であることが理解できる一方、まだまだ日本では、個性的な子供よりも周囲の子供と同じように育っていくことが望ましく思われる風潮もあります。
義務教育は、基礎学問なので、学校で勉強をさせながらも、家庭では、モンテッソーリ教育をして、個性や才能を伸ばしていくハイブリッドな教育方法が現代的な教育方法かもしれませんね。
モンテッソーリ教育の特徴
モンテッソーリ教育を受けた子供には、下記の共通した特徴があります。
● 多様性を受け入れる
● 柔軟な発想がでできる
● 問題解決能力が育っている
● 穏やか優しい
昨今、色々な企業でダイバーシティという言葉がささやかれ、多様性が重要だと言われています。そんな今だからこそ、多様性を受け入れる子供に育つことは重要だと言えます。
また、AI等の人工知能が発達して、事務作業的な仕事はテクノロジーが代替するようになると言われており、柔軟な発想、想像力はこれからの時代を生きていく上で必須の素養だと考えられます。
穏やかで優しい子に育てば、子育ての苦労も減りますし、子供自身も友達がたくさんできたりとモンテッソーリ教育は、いいこと尽くしのようです。
また、モンテッソーリ教育で育った成功者には、下記の共通した特徴もあります。
「自分の得意分野を突き詰めている」
「枠にとらわれない柔軟な発想力と実行力」
「驚くほどの粘り強さ」
モンテッソーリ教育では、子供の頃の様々な恩恵だけでなく、大人になってからもこれからの時代を生きていくために必要な素養が身に付くようです。
社会に出ると様々な経験を得ますが、失敗の連続です。その時にモンテッソーリ教育で粘り強さを身に付けることで社会の辛い経験がある際、粘り強く物事に取り組むことできます。
上記でも述べましたが、やはり発想力や想像力というのは、これからの時代に最も必要とされる素養であり、それを実行する能力があれば、まさに鬼に金棒でしょう。
これらの内容から、AI等の人工知能が発達し、想像力や実行力が求められる現代だからこそモンテッソーリ教育が注目を浴びていると考えられます。
モンテッソーリ教育(モンテッソーリ・メソッド)の基本
本書では、モンテッソーリ教育を行う上での基本について下記内容で記載しています。
◆モンテッソーリ・メソッド三つの基本
それでは、ここからモンテッソーリ・メソッドの具体的な内容をご紹介します。
このメソッドの特徴は、大きく三つに分類されます。
① 子どもの自主性を最大限にサポートする
② 生き方の基礎となる体験を提供する
③ 「敏感期」にもとづいた関わりをする
子供の自主性を最大限にサポートすることは具体的にどうすればいいのか、生き方の基礎となる体験の提供方法、「敏感期」とは何?といった詳細内容についても本書には記載してあり、その一部をご紹介します。
子供の自主性を最大限にサポートするために重要なことが何かについて本書では、下記内容で記載しています。
子どもの自主性を最大限にサポートする
● 子どもを観察する
● 子どもの気持ちによりそう
● 学びの主体はあくまで「子ども」で大人はサポートする側にまわる
子供を観察しなければ、そもそも子供が何に興味があって、何に興味がないのか分かりません。
まずは、子供を観察して好奇心があることに対し、親はその好奇心を満たす家庭環境を構築することが必要です。
例えば、子供が本を読むのが好きなら、絵本をたくさん用意したり、図書館に連れていくことが大切になります。
子供の気持ちによりそうというのも、最近は子供に習い事を色々なことをさせる親御さんが増えているように思います。
子供の将来のことを考えると不安なので、塾に通わせたり、水泳を習わせたり、英語を勉強させたりと、子供は大忙しです。
しかし、それは子供が好きでやっていることでしょうか。まずは子供を観察して、本当に習い事が好きか確認しましょう
子供は好奇心があれば、それに没頭します。没頭すると集中して物事に取り組む癖がつくようになり他のことでも集中して取り組むようになります。
子供の時に重要なのは、何かの学問を経験させたり、親が重要だと思ったことをさせるのではなく、子供を観察して、好奇心は向けたことに対して、全力で環境を構築することです。
没頭することを覚えさせる、没頭させることを癖づけることがこの時期に重要なことだと言えます。
子供の「敏感期」
モンテッソーリ教育では、子供には代表的な4つの敏感期があることを下記内容で示しています。
●【秩序の敏感期】2~3歳ごろ
●【感覚の敏感期】3~6歳ごろ
●【運動の敏感期】4歳半ごろまで
●【言語の敏感期】6歳ごろ
秩序の敏感期は、子供が身の回りの分からないことを必死に秩序感を持って理解しようとする時期です。
例えば、パパ、ママ、おばあちゃん、おじいちゃん、と誰が自分の親で祖父母であることを覚えたりすることです。
また、ダイニングテーブルで食事をする際にもあれがパパの椅子で、あれがママの椅子でだったりです。
全てに秩序を付けて理解しようとしているので、この時期にその秩序に変化を与えると子供は癇癪を起します。
例えば、椅子を入れ替えたり、例えば、保育園に行く道のりを変えたりすると、普段とは違いことに対して子供は癇癪を起すのです。
秩序の敏感期は長くても1年半程度なので、親としてはイライラすることも多いかもしれませんが、この時期に安定した秩序感を与えると精神面が落ち着いた子供に育つので気を付けましょう。
その他にも「感覚」の敏感期や「運動」の敏感期など、本書には、子育てする上で何をいつ、どのように育てれればいいか重要なことが満載の内容になっています。
ぜひ、家庭にモンテッソーリ教育を導入して、子供の個性を育てて、これからの時代を生きていけるたくましい大人にしてきましょう!
本書を読んで最後に伝えたいこと
冒頭で述べたように本書では、モンテッソーリ教育について分かりやすく書いてあり、子供の才能を伸ばすための具体的の方法論が満載です。
他書籍にもモンテッソーリ教育について書いてあるものが多くありますが、本書は、そもそもモンテッソーリとは?モンテッソーリでどういう子供、大人に育つのか、多くの内容が書いてあります。
親としては、これからの不確実性の高い、不安定な時代を子供にしっかりと生きていけるような教育をしたいと常日頃考えていると思います。
本書を読んで、その一助にして、これからの時代に生きていくための素養を子供に身に付けてもらいましょう!