今回は、ここがヘン!赤ちゃんごはんのウソ?ホント!〜なぜ今と昔では育児の仕方が違うのか?に関する書籍についての解説です。
インターネットでは、赤ちゃんのごはんについて色々な記載があり、正しい情報が分かりません。
また、実家の祖父母にあったりすると、昔の育児はこうだったのよ!と沐浴後に白湯を飲ませたり等、インターネットだけでなく、身近な家族からも正しいのか分からない赤ちゃんの飲食についての情報が蔓延しています。
そんな現代の中、ここがヘン!赤ちゃんごはんのウソ?ホント!〜なぜ今と昔では育児の仕方が違うのか?〜では、管理栄養士である平野ひろみさんが基礎研究から臨床研究までの幅広い研究活動を行い、正しい赤ちゃんのごはんについての情報をまとめた一冊になっています。
赤ちゃんの食事で何が正しくて何が間違っているのか全く分からなったかずぴよですが、、本書の分かりやすい内容で、かずぴよも非常に勉強になりましたので、皆さまににも本書の内容について共有したく、解説していきます。
本書について一部の内容を解説・紹介していきます。本書の内容は幼児の食育に必要な内容ですし、離乳食とは何か?そもそも離乳食って必要?等々、知りたい内容が満載で、お勧めの内容になっています。
1.正しい赤ちゃんのごはんの知識を知りたい
2.離乳食で疲れている育児ママ・パパ
3.世界の離乳食の豆知識を知りたい方
それでは本書について解説していきます。
母乳・ミルクの役割
最近では、粉ミルクの栄養が非常に発達し、母乳よりも粉ミルクの方が優れているということもたまに聞きますが、本書では、母乳について下記のように記載しています。
長年母乳の成分を研究し、母乳に近づけて作った粉ミルクでも、まだまだ研究途中で未知の栄養素はたくさんあります。赤ちゃんに必要不可欠なその栄養素は、粉ミルクには添加されていない、母乳だけに含まれる栄養素なのです。
粉ミルクは昔に比べて栄養が母乳に近づき発達しているとはいえ、まだまだ母乳にしかない栄養があり、母乳を与えることが赤ちゃんの栄養には最もいいことが分かります。
ここで気を付けたいのは、当然母乳が最も赤ちゃんの栄養に優れているのですが、母乳信仰で、必ず母乳を与えなければいけないということは無いということです。
昔の育児は母乳中心だったこともあり、実家の父母、祖父母に会うと、必ず母乳で育てているのと聞かれて、母乳で育児することへのプレッシャーが強いですが、可能であれば、母乳で育児するぐらいがいいでしょう。
最近では、男性の育児参加も増加傾向であり、今後は更に増えていくと考えれば、母乳+粉ミルクが現実的になるかと思います。
また、母乳には栄養だけではなく、ワクチンも含まれています。
さらに母乳には「天然のワクチン」とも呼ばれる免疫物質も含まれています。
最近ではコロナが流行っていますし、妊娠中、もしくは、産後にはコロナワクチンを接種して、赤ちゃんへコロナに対する抗体をプレゼントするといいかもしれません。
いずれにしても母乳には、粉ミルクでは与えることができない、様々な免疫物質が含まれています。免疫力が小さい赤ちゃんに抗体を与えることで健康にスクスクと育てましょう。
食べ物 アレルギーで気を付けたいこと
次にアレルギーで気を付けたいことについて本書の内容を解説していきます。まず母乳から食べ物アレルギーが移行するのかについて下記内容で記載してあります。
食物アレルギー発症予防のため、妊娠中や授乳中に母親が特定の食物を除去することは、効果が否定されている」と食物アレルギー診療ガイドライン2016(日本小児アレルギー学会)にも記載されています。
つまり、母親の食事と赤ちゃんのアレルギーは関係ないのです。
著者は産後に生卵を毎日のように食べていましたが、娘が卵アレルギーにならなかったそうです。日本小児アレルギー学会が公開している内容ですし、実際に著者が実践して問題なかったので、母親の食事と赤ちゃんのアレルギーは全く相関はないといえるでしょう。
栄養面で気を付けたいのは、離乳食の時期に離乳食の作っている内容、割合によっては、赤ちゃんが栄養不足になることが下記のように記載してあります。
食物アレルギー発症予防のため、妊娠中や授乳中に母親が特定の食物を除去することは、効果が否定されている」と食物アレルギー診療ガイドライン2016(日本小児アレルギー学会)にも記載されています。
つまり、母親の食事と赤ちゃんのアレルギーは関係ないのです。
また、赤ちゃんのアレルギーの有無を確認する際に毎日1つずつ新しい食べ物を与えることが理想的ですが、本書によると下記記載のように野菜などアレルギーで出にくい食材は、複数のものを同時に試しても問題無いようです。
・野菜などアレルギーが出にくい食材は、一種類ずつ試す必要はない
・採血によるアレルギー検査を行っても、血液検査の結果が必ずしも正しいわけではない。
・実際に症状が出ている場合は負荷試験を行うことができる。
また、乳児ボツリヌス症予防のためにはちみつが1歳未満は禁止されていますが、本書では、下記のように1歳以降でもはちみつは与えないことを推奨しています。
・「一歳になったらハチミツが食べられる」、は間違い。腸内環境が整うのは二~三歳という医師もいる。
・非加熱のものは特に慎重に与える。
アメリカでは5歳になるまで与えていけないことになっていることも本書には記載があり、1歳になってもはちみつは与えない方が無難で2歳程度になってから与えると大丈夫だろうと本書では記載しています。
正しい離乳食
まず正しい離乳食を知る上で離乳食の定義や歴史について紐解いていきましょう。
離乳食とは、本書で下記のように記載があります。
離乳食の定義 「離乳とは、母乳または育児用ミルク等の乳汁栄養から幼児食に移行する過程をいう」このように厚生労働省のガイドラインには示されています。
幼児食に移行するまでの柔らかい食べ物、形のある食べ物をかみつぶして食べれるようになるまでの期間を離乳の時期と厚生労働省はガイドラインで示しています。
そもそも離乳食が始まったのはいつ頃でしょうか。本書によると下記のように記載されています。
◎実は「離乳食」が登場したのは戦後二〇年経ってからのことで、歴史は非常に浅いのです。
戦後20年後となると1965年になります。離乳食は非常に歴史が浅いのです。離乳食について色々な情報が流れていますが、歴史が浅く、離乳食については、これといった正しい情報が確立されていないといえそうです。
戦時中の離乳食から、現代の離乳食に影響を与えたスポック式育児の歴史について本書では下記のように記載しています。
戦前、日本の離乳食開始時期は一歳頃からでした。そして、二歳頃までは母乳を中心として育てられていましした。
ところが、一九四五年にアメリカで発売され、世界中で五〇〇〇万部売れた「スポック博士の育児書」という育児本の翻訳本が一九六六年に日本で発行され、このことが日本の育児法を一八〇度変えたのです。
スポック式育児に影響を受けた日本では、一九八〇年には母子手帳にもスポック式育児が導入され、生後四ヶ月で離乳食開始を促す記載がされました。しかしその頃、アメリカでは一歳未満の乳児がハチミツを食べて死亡する「ボツリヌス症候群」や、乳幼児のアトピー増加が話題になり、「スポック博士の育児書」は否定されていったのです。
昔は2歳ごろまでは母乳中心で育てていたんですね。私たちの父母は母乳中心で育って、特に健康上、何か問題があるかというと、ありませんよね。
必ずしも離乳食が必要かというとそうではありませんし、早期に離乳食を始めることによるデメリットも存在するので、離乳食を進める場合は、慎重にする必要がありそうです。
間違えてはちみつを与えて、赤ちゃんが死亡する、といった事態にならないためにも離乳食は子供の成長具合や、病院が開いている時間帯に試す等、気を付けながら進めましょう。
前述の通り、アレルギーになるかどうか分からない時期には、一つづつ食べ物を試すのが理想です。野菜は一つづつ試す必要はありませんが、一般的にアレルギーがよく聞かれる甲殻類等は、一つづつ試していきましょう。
必ずアレルギーが発症するかは別ですが、アレルギーについて不安な方は、血液検査で事前にアレルギーの有無を調べたり、病院でアレルギーに対して負荷検査をするとより赤ちゃんが安全な食べ物とそうでないものの区別が出来そうですね。
世界の離乳食
本書では、日本以外の離乳食について紹介しています。その一部をご紹介します。
ドイツの離乳食は下記の内容です。
ドイツ
じゃが芋を主食にピューレしたお野菜などをあげているようです。オーガニック嗜好が強いのでベビーフードは瓶詰めが主流。お肉は日本のような鶏肉やお魚スタートではなく、牛肉が一般的です。離乳食中期になればビタミンミネラルが豊富な全粒穀物が推奨されています。私も娘が生後九ヶ月になった頃から玄米入りのお粥を食べさせて
日本では豆腐やお米の10倍粥等が離乳食の代表ですが、ドイツでは、ジャガイモを主食にピューレした野菜等が与えられており、日本とは全く別の離乳食になっています。
お肉も日本では鶏肉からスタートなのに対し、牛肉であり、やはり離乳食は歴史が浅く、国毎に離乳食が全く異なるということを考えると、神経質になって、あれこれ考えて離乳食を作る必要は無いといえそうです。
また、カンボジアでの離乳食は、下記の内容で記載してあります。
カンボジア
離乳食というものは存在しないようです。お米が主食なので、お粥に魚や野菜を入れた「おじや」のようなものを食べさせます。戦前の日本に近いかもしれません。大家族で生活をしているので、離乳食は母親がではなく、手が空いている誰かが食べさせているようです。
カンボジアの場合、そもそも離乳食という存在がないんですね。離乳食が無くても赤ちゃんが育つのですから、ますます離乳食に対して神経質に考える必要は無さそうです。
後進国の話なので、日本のような先進国の場合、もう少し栄養に配慮して、離乳食を進めるとより健康な赤ちゃん、子供になると考えられますが、戦前の日本もカンボジアのように離乳食の概念自体がなかったのですから、育児をするママ・パパの余裕があれば、離乳食を進めるといいでしょう。
本書を読んで最後に伝えたいこと
今回のブログでは、ここがヘン!赤ちゃんごはんのウソ?ホント!〜なぜ今と昔では育児の仕方が違うのか?〜の一部について解説し、育児で大切な赤ちゃんの食事について重要な内容を紹介しました。
本書ですが、解説紹介した内容以外にも赤ちゃんごはんのウソ?ホント!について紹介してあり、離乳食前には一読しておきたい、お勧めの内容になっています。
また、離乳食の時期は、赤ちゃんがスプーンを投げたり、顔にベタベタ離乳食を付けたり大変な時で、周りに助けを求めることも重要だと、育児経験からワンオペ育児をしないことも大切だと解説しています。
現在は、各市役所等でファミリーサポート制度等ありますし、核家族だからといって、ワンオペにならないためのサポートも完備されているので、家族だけでなく、友達や、市役所に助けを借りて、みんなで子育てをしていきましょう!